【包丁ブランド】三徳包丁を買うなら、グローバル・空・藤次郎どれを選ぶ?
万能包丁と言われている、三徳包丁。この1本があれば、家庭で料理するのには困りません。三徳包丁といっても価格帯は幅広く、メーカーもたくさんあります。包丁に限ったことではありませんが、お手頃な値段でいいものを買いたいというのが本音ですよね。
今回は包丁ブランドの中でも有名な、「グローバル」、「空(くう)」、「藤次郎」に絞り、それぞれの特徴と代表的な三徳包丁をご紹介します。
【グローバルの三徳包丁】刀身とハンドル一体型で、スタイリッシュ
グローバルは、新潟県燕市の吉田金属工業のブランドです。一体型包丁を先駆けて開発したメーカーで、ラインナップも一体型包丁をメインにしています。うち、三徳包丁があるのは、ベーシックモデルとなるGシリーズです。
グローバル G-57 三徳16cm | |
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重さ | 165g |
メーカー販売価格 | 8,640円(税込) |
刀身材質・構造 | 18クロムステンレス 単一板構造 |
ハンドル素材 | 18-8ステンレス (18%クロム、8%ニッケル含有ステンレス) |
1983年に販売開始されたとは思えないほどの、斬新でスタイリッシュなフォルムです。ステンレスハンドルが必ずしも衛生的であるとは言い切れませんが、人前で使用するときなどに良いイメージを与えるのは確かです。
洋式包丁のスタイルを意識してか、刃の形状は中央部から先端部にかけてのカーブがきつめになっています。カーブがきついことのメリットは、肉や魚を切るときに角度上、刃先の食いつきがよくなることです。デメリットは野菜のせん切りなどで押し切りをするときに、刃先のカーブにあわせた動作が必要になることです。
【空(くう)の三徳包丁】最高クラスの硬度を持つ素材を使用
岐阜県関市の、G.SAKAIというメーカーの包丁ブランドです。G.SAKAIはどちらかといえばナイフメーカーで、アマゾンなどで検索しても出てくるのはほとんどアウトドアナイフです。個性的なデザインのものも多く、鋼材も現在の刃物用鋼材では最高クラスの硬度をもつ、日立金属YSSのZDP-189などを使用しています。
包丁では「空(くう)」というブランドで、アウトドアナイフと違いオーソドックスな形状の包丁を製造しています。
空VG-1 三徳175mm | |
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重さ | 165g |
メーカー販売価格 | 7,776円(税込) |
刀身材質・構造 | VG-1 単一板構造 |
ハンドル素材・構造 | バッカーウッド(積層強化木) 三本鋲 本通し |
刀身の鋼材は武生特殊鋼材のVG1(V金1号)という、ハイカーボンモリブデンニッケルステンレスで、ステンレスとしては比較的硬度が高く、上質なクラスのものです。鋼材は良い物を使っていて、価格も良心的です。
【藤次郎の三徳包丁】包丁の素材や種類が豊富
吉田金属工業と同じく、新潟県燕市に本拠を置く、藤次郎株式会社のブランドです。グローバルは刀身とハンドルのステンレス一体型包丁で個性を出しているのに対し、藤次郎(トウジロウ)は、三層割込(鋼をステンレスで挟んだ構造)、ダマスカスといった複合、積層鋼材を加工した包丁を前面に打ち出すことで個性を出しています。
複合鋼材や積層鋼材も多種の組み合わせをもち、シリーズラインナップの多さに驚かされます。どのシリーズにもほぼ三徳包丁がありますが、グローバルや空(くう)と同じ価格帯のものを紹介します。
【Tojiro-Pro(藤次郎プロ)】DPコバルト合金鋼割込 三徳170mm
Tojiro-Pro(トウジロウプロ) DPコバルト合金鋼割込 三徳170mm F-895 | |
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重さ | 150g |
メーカー販売価格 | 8,000円 |
刀身材質・構造 | 三層割込構造 (中心鋼:DPコバルト合金鋼 側鋼:13クロムステンレス) |
ハンドル素材 | 18-8ステンレス |
一体型ですが、口金がデザインとしてはいっており、基本的な形状にしています。鋼材は藤次郎複合鋼のベーシックな組み合わせのものです。中心鋼材のDPコバルト合金鋼は、コバルト含有のステンレスということで、武生特殊鋼材のV金10号をもとにしたものと推測します。
一体型でもスタイリッシュさを求めない場合は、こちらのほうがオススメですね。割込構造にしては重量が軽いのも好感がもてます。
【藤次郎】DPコバルト合金鋼割込(口金付) 三徳170mm
トウジロウ DPコバルト合金鋼割込(口金付) 三徳170mm F-503 | |
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重さ | 180g |
メーカー販売価格 | 7,500円 |
刀身材質・構造 | 三層割込構造 (中心鋼:DPコバルト合金鋼 側鋼:13クロムステンレス) |
ハンドル素材・構造 | 積層強化材 三本鋲 本通し |
先にあげたTojiro-Pro F-895の通常ハンドルモデルです。形状はほとんど同じで、刀身の材質構造もまったく同じです。なお口金無しのシリーズもあり、こちらは「F-311 重さ130g 4,000円」です。
また、SDモリブデンバナジウム鋼(武生特殊鋼材のV金5号をもとにしたものと推測)の単一板構造、「F-882 重さ165g 6,000円」というモデルもあります。形はF-503と同じです。
まとめ
3つのブランドの代表的な三徳包丁をご紹介しましたが、それぞれのブランドには個性があり、また実績といった点でも甲乙つけがたいのが正直なところです。ただ、刀身とハンドル一体型はバランス面で違和感を感じる場合があり、割込は構造上ブレードがどうしても厚くなりがちで、重量もやや重くなります。
好みで選んで後悔することはないと思いますが、個人的には、材質構造と価格面を考えると、藤次郎が一番コストパフォーマンスがよいと判断します。アフターサービスもきちんとしていますよ。
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