【砥石の選び方】包丁の切れ味復活!砥石で研げば包丁が長持ち
最近は、料理を趣味にする男性も多いですよね。働き盛りで役職につき、子どもも成長して手がかからなくなると、料理に目覚めたりします。こだわりが強いので、趣味とはいえ料理に凝りだすと、家にある包丁の切れ味に満足できなくなってきます。
包丁を研いで切れ味を復活させるには、砥石(といし)が必要です。シャープナーや研ぎ器を使って研ぐより、切れ味が良くなりますよ。包丁売り場に砥石も売っているのですが、さまざまな砥石があり、どれを選んでいいのか迷ってしまいます。そこで今回は、砥石の種類と選び方を解説します。
【砥石の種類】人造砥石と天然砥石
砥石には、人造砥石と天然砥石があります。天然砥石は文字通り天然の石で、鉱山で採掘されます。人造砥石は、研磨剤を結合剤で固めたものです。天然砥石は天然素材ですから個体差も大きいため、職人でないと選ぶのが難しいです。ホームセンターなどで販売されているのは、ほとんど人造砥石です。
人造砥石
工業的につくられた砥石で、天然砥石と違って粒度という粒子の大きさがはっきりと数字で表示されています。基本となる粒子の素材、粒子を結着させる結合剤の素材、また結着方法によって、同じ数字の砥石でも硬度の違いがでてきます。
砥石の粒度は、JIS規格で細かく定められており、数字が大きくなるほど目が細かい砥石になります。大きく分けると下記の3つになります。
荒砥石・・#80~400粒度
研磨力が強く、刃こぼれの修理、刃の形状修正などに使われます。
中砥石・・#600~2,000粒度
もっとも一般的に使われる砥石で、特に1,000番、1,200番あたりの使用度が高いです。この中砥石だけでも、研ぎを終えることができます。
仕上砥石・・#3,000粒度以上
仕上と名の付く通り、最終仕上げに使われる砥石で、切れ味も一層鋭くなります。糸刃(小刃ともいう)をつけて耐久性のある刃先にすることができます。カエリを取るときや、裏押しを研ぐときにも使われます。
天然砥石
天然砥石は、採掘鋼から掘り出した石を加工したものです。全国各地に採掘鋼がありますが、近年は閉山がすすみ、数が少なくなっています。人造砥石と違って、同じところから採れた石でも粒度や成分に違いがあり、包丁の鋼材によってはあたりはずれがあります。
値段も数万円以上しますし、扱いも難しく、プロ向けの砥石です。
初めての砥石選びは、中砥石#1,000粒度で決まり
最初に選ぶ砥石は、#1,000の中砥石が使いやすいでしょう。家庭で使用する包丁なら、この砥石ひとつで充分な切れ味をつくることができます。長さは、20cm程度のものがよいでしょう。また表裏で#400の荒砥石と#1,000の中砥石のように、番数の違う砥石がくっつけてあるコンビタイプもあります。
片刃の和包丁を使われているなら、5,000番程度の仕上げ砥石も購入した方がいいです。片刃包丁を研ぐときに発生するカエリをとるのに使用するためです。カエリとは、包丁を研いだ面の反対側の刃先に現れる、触るとざらっとした感触があるもので、カエリを取らないと切れ味がよくなりません。
カエリを取るのに、包丁の裏側の裏押しという部分を研ぐのですが、中砥石で裏押しを研ぐと、裏押しの幅が広くなりすぎる可能性があるので、仕上げ砥石を使います。
砥石のメーカーはいろいろありますが、ホームセンターで売っている1,000~2,000円の中砥石で充分です。仕上げ砥石は2,000~3,000円、コンビ砥石は2,500円前後です。
包丁の素材によってはダイヤモンド砥石が必要
セラミックス素材の包丁は、通常の砥石では研げません。ダイヤモンド砥石が必要です。ダイヤモンド砥石は、ダイヤを砥石の素材に混ぜ込んであるタイプと、鉄の表面に蒸着させたものがあります。蒸着タイプなら3,000円台で購入できます。
砥石の製造方法や粒子の素材によって、硬い砥石と柔らかい砥石があります。硬い砥石のほうが硬い鋼材にも対応でき、刃ができるのも早いです。柔らかい砥石は、すぐ真ん中がへこむので、研ぎ面をたいらに修正した方がいいでしょう。
まとめ
包丁を初めて研ぐのであれば、最初に買い求める砥石は#1000の中砥石がよいでしょう。もし包丁が刃こぼれして荒砥石を使わなければならないような状態になったら、自分で荒砥石を使うようなことはせず、おとなしく修理にだしましょう。荒砥石を使ってしまうと、へたすると修復不可能な状態にしてしまう可能性があるからです。
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